2018年02月04日

俳句日記  (386)


立春大吉

 今日は立春。これからしばらくはNHKラジオでは「春は名のみの」という歌『早春賦』が盛んに流れる。既に今日昼間も聞いた。「春は名のみの風の寒さや 谷の鶯歌は思へど 時にあらずと声も立てず・・・」。東京音楽学校(現・東京芸大)教授で文部省尋常小学唱歌作詩委員会代表を務めた吉丸一昌が大正二年(1913年)に発表したこの詩は、歌を思う谷の鶯もまだその時ではないと声も立てない、と擬人法を用いた持って回った詠み方で、必ずしも良いとは思えないのだが、中田章という人がつけた清新な曲が抜群で一世を風靡、未だに歌い継がれている。YouTubeのNHK東京放送児童合唱団の歌声など、今日聞いてみたら何と1702620回と出ていた。
 今日などはまさにこの歌の通りで、朝から太陽は輝いていたが風が冷たい。庭の温度計は12℃だが、やろうと思っていた庭仕事を敬遠してしまう寒さだった。
 立春というのは二十四節気の最初で、「春立つ日」。昔はこの日が年の始め、元旦だった。この日から起算して88日目が種蒔きや茶摘みの最盛期の「八十八夜」、台風の来る「二百十日」など、節目の日を数えた。立春の前日が節分で、同時に大晦日であり、冬の別れとして、悪鬼を払う豆を撒いて晴れ晴れとした新年を迎える追儺の儀式も行った。
 しかし、月の満ち欠けを基準にしていた太陰暦に、この二十四節気を当てはめて季節のずれを調整していた太陰太陽暦(旧暦)は、ほぼ三年おきに閏年という一ヵ月をはさんでズレをなおしていたものの、それでも太陽の運行と暦にズレが生じ、立春が一月一日とは合わない。旧暦ではまだ十二月なのに立春が来てしまう「年内立春」がしばしば起こった。
 今年もそうである。本日二月四日は立春大吉なのだが、旧暦では未だ十二月十九日である。正月の来る11日も早く立春になってしまったのだから、昔の人は「年の内に春は来にけり一年を去年とや言はむ今年とや言はむ」(古今集・在原元方)と洒落のめした。
  庭猫のきのふの豆を嗅いでをり
posted by 水牛 at 21:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする