2018年11月26日

俳句日記 (434)


冷めた鰭酒

 11月25日(日)大相撲九州場所が閉幕した。22歳の突貫小僧、小結貴景勝が13勝2敗で優勝、殊勲賞、敢闘賞まで受賞して一人気を吐いた。しかし、三横綱休場、大関豪栄道も休場という、お粗末としか言いようのない場所だった。これで15日間満員御礼が続いたのだから、福岡というところはよほど見るべきものが無いのだなと思ってしまう。
 力士が本場所に臨む意気込みを欠いているとしか思えない場所であった。白鵬、鶴竜両横綱はモンゴル国籍だから、このままでは親方にはなれない。二人とも日本に帰化して親方になり、相撲協会でさらに活躍したいとの意欲を見せているという話も伝わって来る。それはともかく、そうするためにも一場所でも長く横綱の地位に留まっていた方がいいと考えるのは人情の然らしむるところだ。それには何よりも無理をしないことだというわけでもあるまいが、九州場所をさっさと休場してしまった。一人横綱になった稀勢の里は意気込みが空回りして4連敗であえなく休場。豪栄道は徹底的に逃げの相撲でなんとか8勝した途端に休場だ。もう一人の大関栃ノ心は我武者羅相撲が祟って8勝するのが精一杯。残る期待の大関高安は絶好の優勝のチャンスを自ら潰して、またまた「優勝しない大関」の称号を上塗りした。大関に一番近いと言われ続けている関脇御嶽海はなんと負け越しである。千秋楽で高安をぶん投げて意地を見せたが、今更という感じであった。
 こんな中で貴景勝が暴れまくったのが唯一の見せ処だった。しかし、この力士も今のままではとても安心して見てはいられない。貴乃花という自分勝手な変人親方の部屋だったせいか、どうも力士としての修養がちゃんと出来ていないのではないかと思われる。幼児のころから相撲、相撲で育てられ、常識なぞわきまえる暇も無かったのであろう。兵庫・報徳学園から相撲学校の埼玉・栄高校を出て相撲界に入り、未だ20数場所しか経験していないから、仕方が無いといえばそれまでだが、親方同様自分勝手な感じである。本場所の土俵に上がってから回しが緩んでいるのを注意されて、土俵の上に呼出が三人も上がってエンヤコラヤと褌を締め直す前代未聞の恥ずかしい一幕を見せた。と思ったら、その翌日は出場する時間を間違え、土俵下の控えに入るのが遅れて関係者をはらはらさせた。そんなことがあっても相撲に勝つのだから図太いと言えばこれほど度胸のある22歳も居ない。しかし、これが私生活や今後の相撲稼業に顔を出して、とんでもない失敗をやらかしたりはしないか。
 今や貧相になってしまった相撲界にあって、数少ない"日本出身のスター"になったのだから、なんとか大成して欲しい。さもないと、相撲界は理事長以下、親方現役のほとんどがモンゴル出身はじめ外国勢で占められることにもなりかねない。しかしまあ、そうなるのもまた時代の趨勢で、これぞ「国際化」の象徴舞台というものかも知れない。
  生ぬるくなりし鰭酒博多場所
posted by 水牛 at 18:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする