2019年11月10日

俳句日記 (542)


酔吟会第143回例会は「短日」と「切干」
24名参加の大盛況

 11月9日(土)午後1時から東京・内神田の日経広告研究所会議室で第143回酔吟会が行われた。立冬の翌日、澄み切った空の気持の良い日和で、19人が出席、投句参加5名の締めて24名、投句総数120句という、酔吟会始まって以来の大盛況だった。
 酔吟会は昔ながらの句会運営方式。すなわち、参加者が会場に入ると短冊を5枚渡され、それに本日の兼題の「短日」と「切干」と当季雑詠合わせて5句を書き込み提出する。欠席投句者の句は幹事が短冊に書いて投句する。投句全てが集まると、幹事がそれを出席者の人数に合わせて振り分ける。出席者は渡された短冊をC記用紙に清書する。それが済むと、自分の句が正しくC記されているかどうかを点検するために、C記用紙を順繰りに回す「空回し」が行われる。これで準備万端整い、それぞれ自分の所に回って来るC記用紙に書かれた句の中から良いと思った句を選句用紙に書き留める「選句」作業が始まる。出席者全員の書いたC記用紙を全て見終え、句を選び終えると、いよいよ、それぞれが選んだ句を発表する句会のヤマ場「披講」になる。全員の披講が終わると、本句会の最高点以下高得点句が紹介され、「合評会」で順々に感想を述べ合う。
 日経俳句会や番町喜楽会など姉妹句会は参加者が膨らんだために投句を3句に絞り、さらに事前投句・選句表事前配布方式を取って、句会はいきなり披講で始まり、すぐに合評会に移るメール利用の現代的句会になっている。これに対して酔吟会は旧態依然方式だからかなりの時間がかかる。もともと酔吟会は10数名の句会だったからこれで良かったのだが、伝統的なのんびりした句会の良さが伝わって入会希望者が増え、徐々に人数が増えて、ついに25,6人になった。しかも投句は5句と以前のままである。否応なしに句会の時間は延びて、午後1時に始めて4時前に終わっていたものが、9日の句会は4時半になってしまった。後がつかえている人も居る。というわけで、途中退席者が続々現れることになり、句会の雰囲気が傷ついた。投句数を減らす、欠席投句は認めないことにする等、あれこれ対策を講じなければなるまいと思う。
 今回の句会で人気を集めた句は以下のとおり。
「短日」
背表紙のかすむ古書市日短か    廣田 可升 (6点)
短日や余生まことに長長し     須藤 光迷 (5点)
日みぢかもの食ふ音はわれの音   金田 青水 (3点)
昼席のはねし木戸口日短し     徳永 木葉 (3点)
短日やありふれた日のまた過ぎて  片野 涸魚 (3点)
「切干」
切干や昔の母は子沢山       今泉 而云 (4点)
切干や脇役ばかり五十年      須藤 光迷 (3点)
友が来て母の切干平らげし     向井 ゆり (3点)
「当季雑詠」
コスモスは年長組の眼の高さ    大澤 水牛 (5点)
あるだけの福を担ぎて一の酉    玉田春陽子 (5点)
流木を中洲に残し冬千曲      堤 てる夫 (5点)
独り言湯舟に浮べ冬に入る     玉田春陽子 (4点)
ああ首里城虚ろな丘の冬の月    堤 てる夫 (3点)
行く末は成り行き任せ木の葉髪   大沢 反平 (3点)
白菜や尻を洗いし孫の事      須藤 光迷 (3点)
台風禍めげぬ最上の芋煮会     岡田 鷹洋 (3点)
瓜坊の落柿あさる上州路      須藤 光迷 (3点)
 この他に水牛が感心した句は以下の4句。
檻の大鷲短日にはばたけり     星川 水兎
穭田の株から株へ黄鶺鴒      堤 てる夫
食べて寝る人の営み花八ッ手    嵐田 双歩
短日や勝鬨渡って灯の街へ     大沢 反平
 切干の句では「切干の陽の匂ひして煮上りぬ」を「出来た」と自信満々で出したのだが、零点だった。切干大好きで、しかるが故に兼題にも据えた水牛は、しょっちゅう切干を煮ている。切干の特徴と言えば、何と言ってもあの日向臭さである。切干嫌いはこの臭いが大嫌いなのだが、切干好きにはなんとも懐かしい。分かって呉れる人が居るかなあと期待していたのだが。
posted by 水牛 at 21:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする