2018年11月07日

俳句日記 (428)



貝割菜

 大根、蕪、小松菜などアブラナ科の野菜の種を蒔くと三、四日で貝が口を開いたような形で双葉が芽生える。これを貝割菜と言い、一週間から十日ほどで真ん中から本葉がちょっとのぞいた頃に間引く。貝割菜が密集したまま放っておくと、ひしめき合って、みんなひょろひょろになってしまうから、通風と採光を良くしてやって、しっかりとした菜が育つように、適当な間隔を設けて余分なものを抜き取る。抜き取った小さな貝割菜が「間引菜」であり、抜き菜、うろ抜き菜、つまみ菜とも言う。
 大根や蕪などの冬野菜は普通は9月中旬に種を蒔く。そのため貝割菜も間引菜も秋の季語になっている。しかし、水牛菜園はほぼ一ヵ月遅れで種蒔き、間引き作業をやる。と言うのは、9月だとまだ害虫の活動が盛んで、早めに本葉が出るとすぐに喰われてしまうからである。もう一つの理由は、近ごろは妙に暖かく、九月に蒔いたのでは小松菜などは正月の雑煮用には大きくなりすぎてしまう。雑煮の小松菜は長さがせいぜい十センチ、茎が四、五本の若菜を切らずに使いたい。そういうのを採るためには横浜辺では一ヵ月ずらして10月下旬に種を蒔いた方がいいのだ。それに今年は9月中下旬から10月初旬は雨降りが多く、農作業が出来ずに、結果として10月下旬播種ということになった。
 大根にはやはり少し時季遅れだ。だから水牛大根はどうしても小ぶりに留まってしまう。
 とにかく、その貝割菜が一斉に芽生えた。これから12月にかけて三度にわたって間引いて行く。こうして小松菜や小蕪は十センチ間隔ほどにして大きく育てる。大根はもう一回間引いて四十センチ間隔に一本立ちさせる。18.11.07. 貝割菜2. jpg.jpg
 この「間引き作業」は非常にくたびれる。腰と膝に負担がかかる。途中で不用意に立ち上がったりすればギックリ腰である。
 けれども間引菜にはそういう苦労をするだけの値打ちがある。大きな洗い桶一杯の間引菜も茹でてお浸しにすると一握りになってしまう。しかし、これに花かつおをぱらりとかけて醤油を垂らせば、こんな美味い物はないなとつくづく思う。良い出汁に信州味噌の上等を溶かし、沸騰寸前に火を止めて間引菜を入れる。瞬間に鮮やかな緑になる。この味噌汁は天下一品である。
 この間引菜の食味を思いつつ、明日から抜き菜作業を始めよう。

  まずもって半分抜くか貝割菜
posted by 水牛 at 22:03| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。