2019年12月08日

俳句日記 (557)


番町喜楽会の忘年句会
「息白し」と「都鳥」を詠み合う

 12月7日(土)午後6時、東京・九段下の千代田区生涯学習館で第168回番町喜楽会が開かれた。これが早くも令和元年の締め括り句会で、終了後、近くの小料理屋「味さと」で忘年懇親会を開いた。
 近ごろ雨が多く急に冷え込んだりするものだから風邪を引く人も多い。出席は15人、欠席投句が7人となった。
 谷川水馬さんの司会で投句5句選句6句の句会を進めた結果、最高点は廣田可升さんの5点句で、
踏ん切りのつかぬ帰郷や都鳥       可升
 長年故郷を離れて東京をはじめ各所での勤め人暮らし。寄る年波で職を退き、このまま都会暮らしを続けるかどうか。「クニへ帰っておいでよ」という声もかかるのだが、さてとなると、なかなか踏ん切りがつかない。「都鳥」の季語と相俟っていい味を出している。
 続く4点には5句も並んだ。
息白く人それぞれに始発駅        春陽子
テスト日の寡黙なる列白き息       迷哲
向ひ合ふ距離の近さや置炬燵       命水
冬大路信号守る親子鹿          水馬
また悔いの一つ増えたる師走かな     満智
 3点句は9句。
まえうしろ子を乗せママの息白し     木葉
なれそめは鴨川の土手ゆりかもめ     水馬
夕映えのスカイツリーや都鳥       光迷
教皇の被爆地に立つ時雨傘        二堂
一茶忌や大徳利で出る蕎麦湯       春陽子
きのふまでそこにゐたのよ日向ぼこ    水牛
行き止まるレールの錆びて山時雨     迷哲
初雪や子の恋人の来ると言ふ       白山
路地深き鍋屋横丁小夜しぐれ       春陽子
 上記の他に水牛がいいなあと思って採った句は、
雨降るか赤きブーツの都鳥        命水
障子開け確かむ路地に冬の雨       命水
自撮りしてバイト学生池普請       綾子
 都鳥の赤いブーツとはなかなか面白い。二番目は「障子」と「冬の雨」が季重ねだが、静かでとてもいい感じ。三番目は、「池普請」という古い季語を蘇らせて実に愉快。今でも名園では冬場閑散期に池浚いをしているが、大長靴履いて悪戦苦闘しているのは皆アルバイトの青年男女。仕事も面白半分に、「自撮り」などやりながら大騒ぎだ。そんな今風の池普請を活写した。
posted by 水牛 at 18:45| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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