2018年12月06日

俳句日記 (436)



 新駅名決定

 JRという企業集団は本当にどこまでバカなのかと呆れ果てる。品川駅と田町駅との間に2020年、東京オリンピックに合わせて開業する新駅の名称を「高輪ゲートウエイ」にすると発表した(12月4日)。
 英語のgatewayとは、出入り口とか通路といった意味で、JRは「ここが新時代の東京の玄関口になる」と説明している。将来、JRが敷く予定の羽田空港への路線やリニア新幹線の発着駅にする目論見もあるらしいのだが、東京への「玄関口」はここだけに留まらないだろう。
 新駅の出来る場所はその昔の品川宿の大木戸があった所である。近くには忠臣蔵四十七士の墓所泉岳寺がある。大昔から江戸っ子にはお馴染みの土地である。「泉岳寺」「高輪」あるいは「高輪大木戸」とつければいいではないか。「泉岳寺」は既に京急の駅名として存在するからということが失格の理由になったのだろう。それならば「高輪」「高輪大木戸」とすればいい。ゲートウエイなどという妙な英語より「大木戸」の方がずっとカッコいい。アベシンゾーさんが懸命になって呼び込もうとしているガイジンさんたちにも「オオキド」という響きは必ず受けるに違いない。
 やみくもに英語をカタカナにしたり、ローマ字の頭文字を並べたりして、それを日本語にくっつける手法が、脳味噌の薄っぺらなコピーライターと称する連中に持て囃されるようになって久しい。中にはそうして生まれた新語が流行することがあるが、大概はほどなく死滅する。
 その一例として私の頭に強烈に焼きついているのが、やはりJRのバカどもが決めた「E電」である。1987年(昭62年)の国鉄民営化に伴い、首都圏近郊電車区間の呼称「国電」の言い換え言葉を募集した。「民電」「首都電」など六万通も寄せられた中で、JR首脳はわずか390通しか無かった「E電」に決めた。選考委員の「有識者」(どうかと思うが)として加わった作曲家の小林亜星、写真家沼田早苗両氏が強く推したからだという。私はこのもっとずっと昔、某新聞社会部記者として運輸産業担当をしていたことから国鉄に愛着を寄せており、この「E電」というあまりにも知性の欠けた呼称に愕然として、旧国鉄の人脈を通じて異議を唱えたのだが、もちろんそんなことは通じずに東京駅構内はじめ各所に「E電」の看板がべたべた貼られた。しかし、このE電は世の中に全く受け入れられず、程なく雲散霧消してしまった。
 さて、今回の「高輪ゲートウエイ」はどうなるか。英米人には何らの感銘も与えず、単に「出入口」という印象で受け取られることになろう。アベ政権が躍起となって「外客三千万人誘致」を標榜している過半数を担うのが中国を筆頭にした東南アジア諸民族だが、その人たちにとって「ゲートウエイ」という英語名がそれほど魅力的に映るものとも思われない。私たち地元日本人にとっては、こんな妙なカタカナ駅名は御免蒙りたいという気持が大勢であろう。
 今回もJRは新駅名について一般公募した。6万4千通も集まった中で第一位は「高輪」、「高輪ゲートウエイ」は130位で僅か36通しか無かったそうである。これはもうゼロと同じで、あえてそれを拾い上げたJR東日本は「名称一般公募」などは全く当てにせず、最初から「高輪ゲートウエイ」ありきで事を進めていたとしか思えない。さてさて、「ゲートウエイ」が定着するのかどうか。それを見定めるまで命があるかどうかは分からないが、楽しみである。
  木枯しやゲートウエイとはなんじゃらほい
posted by 水牛 at 22:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月30日

俳句日記 (435)



十一月という月は

 11月は取り止めなく過ぎ去ってしまう月である。気候・温度変化からしても、秋のようでもあり冬のようでもある中途半端な感じだ。
 11月7日が立冬、俳句ではこの日から天然自然の景物も人事もすべて「冬」として詠むことになる。とは言っても、まだまだ秋の気分である。それでぼんやりしていると、急に明け方7℃などと冷え込んで、タオルケットに夏掛蒲団一枚で寝ていたために風邪を引くはめになったりする。
 11月がなんとなく印象薄く過ぎてしまうのは、行楽シーズンの10月を終えて一息つき、翌月の師走12月を控えてあれこれ心づもりしながらの時期ということもあろう。
 同じように何とはなしに過ぎてしまうのが2月だ。これもお正月の新年行事がいろいろ重なる1月を過ごし、翌3月が年度末・学期末で非常に忙しい。その中間安定期が2月である。「二月逃げ一年も逃げ始めたり 今泉而云」という名句があるが、この伝で行けば「あれあれと十一月の走り去る」ということになろうか。
 気候の変わり目ということでも2月と11月は似ている。2月は寒が明けて徐々に春らしくなって行く時期であり、11月は秋が本格的な冬になる頃合いである。こういう季節の変わり目は人間の身体にも影響を及ぼす。ここで無理をすると碌な事は無い。そんなこともあって、11月は殊更頑張らずに平々凡々の日を暮らすように、天の神様が仕向けてくれているのかも知れない。

  爪割るる十一月となりにけり
  空欄の目立つ日記や十一月
posted by 水牛 at 21:36| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月26日

俳句日記 (434)


冷めた鰭酒

 11月25日(日)大相撲九州場所が閉幕した。22歳の突貫小僧、小結貴景勝が13勝2敗で優勝、殊勲賞、敢闘賞まで受賞して一人気を吐いた。し